ここ最近、フランスはキャッシュレス社会であることを日々実感しています。
スーパーではもちろんのこと、田舎のパン屋さんでも、最低購入金額に関わらず、カード決済がOK。
最近、そんなキャッシュレス社会に適応した新しいシステムを見つけたので、紹介したいと思います。
少し長くなりますが、これまでの流れ
従来、日曜日はキリスト教カトリック宗派の文化を継承し、フランスでは一般的に日曜日に商業施設は営業していなかったのですが、ここ最近では、景気回復、経済活動のテコ入れをすべく、当時経済大臣を務めていた、現マクロン大統領が日曜日の営業を全面的に解禁しました。
この流れを受けて、観光客が多いエリアの商業施設、また大手スーパーマーケットは、日曜日も営業するように。
日曜日に働くと通常の給与の2割〜3割増となるにも関わらず、勤務したくない従業員が多く、反発が起こります。総論は賛成なんだけれども、各論反対という状況。従業員も、自分以外の人が働くのであればいいけれど、自分が働くのは嫌、という。
少し前までは、労働組合と経営者による話し合いがメディアで頻繁に取り沙汰されていましたが、ここ最近やっと落ち着いてきたようです。
やっと落ち着いてきた理由は…
打開策
大手スーパーマーケットの場合、セルフレジcaisse automatique の全面導入!
バーコードをお客さんがピッ、とやる、あれです。たしかにこれだと、一人のスタッフが機械のエラー対応だけしていればいいから、営業もできるし、従業員数も最低限でお店が回る!
…しかし
実際はそんなにうまくいかない
以前、買い忘れがあり日曜日に買い物に行ってみたら、なんとセルフレジが長蛇の列。その理由は、
平日には従業員のいるレジに並んでいるセルフレジに慣れていない人たちが、セルフレジを使う→
慣れないのでよくわからない(特にお年寄り)→
従業員に聞く→
従業員も日曜日に働かされていてやる気がない→
全ての対応が平日の2倍遅い!
という悪循環。
カード決済のみ、って書いてるのに、現金だと思って全部バーコード読みとってしまってからキャンセルしたいとか。
カード決済ではなく小切手決済したいとか。
…で、根気よく並んでやっとのことでお会計をするとこの画面。
これが、今日の本題です!
じゃん!
なんと!セルフレジのカード決済に対応した募金?寄付システム!
これって完全フランス語なので観光客が間違えてOKするケースもあるでしょうし、しかも顧客に、こういった一連のイライラが続いた状況で判断させるってどういうことよ!?と、重ねてイライラ。
端数を繰り上げて、その端数分を寄付しませんか、というものなので、金額自体はそれほど大きくないのですが、そもそも、寄付先書いてあってもよくわからんし。
そして、早くお会計して出たいのに、どっちか選択しないと決済にも進めないという。
「人にお金をせがむ」ことへの抵抗感
自分の感情を落ち着いて分析してみると、どうも、募金や寄付に嫌悪感はないのですが、「人にお金や物品をねだる=よくないこと」という日本人の概念によるもののように思いました。フランスの「自分よりも恵まれていない人に惜しみなくお金を渡す」という文化に、在仏10年にしてまだまだ慣れない…
電車やメトロでは必ず、物もらいの人がまわってきます。特にクリスマス前はその数が増え、貧しい服装や赤ちゃんを抱いた女の人、手足が不自由なことをあからさまに見せてお金を要求する人。3日前から何も食べていません、家に子どもが3人います…と、お金を恵んでくれという人。
自分は恵まれていると実感する一方で、先の「日本人的な概念」から、こういった場合の対応の仕方にいつも戸惑います。スマートにお金を渡している人を見ると、すごいなあ、とも。
余談ですが、キャッシュレス社会がもっと進んでいるスウェーデンの首都ストックホルムに行った際、驚いたのは、「現金取り扱いしていません」というお店の多さ。アイスクリームのテイクアウトや、果物屋さんでりんご1つ買うのでも、全てカード。
日本はまだまだ現金主義ですね。
フランスは現金からキャッシュレス社会に移行しつつあるものの、日本にはない、個人の銀行小切手の風習もまだ根強く残っており、これからどう進むのでしょうか。
また機会があればご紹介したいと思います。
今日はここまで。
旅行でカード決済をしようとして、上のような募金の画面がでても驚かれませんように。ご参考までに、バツを押したら「募金しない」です!
この記事がどなたかのお役に立てれば嬉しいです。