日本と比べると、消費意欲がかなり低いフランスですが、年末年始のクリスマス商戦と、お誕生日、年に2回は必ず、お祝いイベントがあります。
わたしは人に贈り物をするのが好きで、「あ〜もうそろそろ〇〇さんのお誕生日…何をプレゼントしようかな〜」と考えるのが好きです。
たいていは思いつくのですが、それでもやっぱり思いつかない時は、フランスならではの「本を贈る」という風習に助けられます。
贈る相手の、個人の趣味を把握するほど親しくない場合もありますし、また、贈る相手の私生活もよく知らない場合もあるので、そういう時こそ、本をプレゼントするに限ります!
本を贈ってもらった経験
これまで、わたしが本を贈ってもらったことは3回。
一度目は、フランスに来てすぐのクリスマスに、主人の従兄弟からこちらの本をいただきました。
和訳すると、「(超)パリジェンヌになるための実践ガイド」
なんともユニークな、わたしの当時の環境を鑑みつつ、面白おかしく気の利いたプレゼントだと、今でも印象に残っています。当時はそれほどフランス語力が高くなかったものの、それでも敬遠することなく完読しました。
二度目は、主人から。
その名も、「フランスの歴史」
ずっと、フランスの歴史をちゃんと勉強したいな〜と話していて、それを覚えていてくれたので。著者のAlain DECAUX氏は、フランスの歴史学者で、それでも堅苦しくなく、イラストが入っていて読みやすいです。ただし大きい本で重かったので、家で読む専用。
そして三度目は、会社の同僚から。
モーパッサンの短編集。
どの話もオチがあるというか、最後にどんでん返しがある話が多く、短編集といえど読みごたえあり。フランス語も分かりやすいので、これをきっかけに他のモーパッサンの本も読むようになりました。それまでは「モーパッサン」と聞くと難しそうなイメージがあり、自分では手を出さなかったので、フランス文学への興味の扉を開いてくれた同僚に感謝!
本を贈った経験
わたしから人に贈ったものは、自分が読んで好きだった本や、日本のことを知ってもらおうという意図で、日本関連のものが多いです。
このあたり…
日本で見かける「変な」フランス語の表記をまとめた本。これは確か、義理の弟のクリスマスプレゼントに。
当時、文学賞を受賞した、日本(東京)人の生活を描いた小説。こちらは義理の母に。この時は確か、村上春樹氏の「1Q84」も一緒に贈ったように記憶しています。
おすすめです!
こうやって振り返ると、本当に、本の贈り物は失敗しませんね。
読んでみて好きじゃなかったら人に気軽にあげられるし、お値段的にもそれほど高くはないところもこれまた良し。
アクセサリーやらの服飾品、金額がまるわかりのギフトカードを贈るよりも、本を贈る方が、受け取った方も印象に残るし、個人的に、とても気に入っている風習のうちの一つです。
そういうわけで、ここ数年は日本語の本もフランス語の本も、もっぱらKindleユーザーですが、紙の本も月に一度は必ず手にして、やっぱり紙の良さを実感する毎日です。
さてこの風習、個人的に、ぜひ日本でも普及させたいと思っていて、里帰りの度に家族やまわりの友人に本を贈っています。今のところ賛否両論ではあるものの、これからも細々と続けていきます。