フランスで考えるブログ

フランス在住 大阪出身の金融業界フルタイム勤務のわたしの日常生活と頭の中

フランス人は本当に休んでばかりいるのか

フランスに住んでいるとよく聞かれること

「フランス人って怠けてるって本当?」「フランスって休み多いんでしょう?」

答えは、「怠けてもいないし、休みも多くない。効率よく働いているだけ」! 

 

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1年=実質10ヶ月

まず最初に、声を大にして言いたい!

みなさーん!フランスでは、実質「1年=10ヶ月」ですよ!

 

さて、その理由を以下につらつらと記します。

 

フランス人の生活、まずは大きいくくりから。1年間はざっくり、3つの四半期に分かれます。

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●9月〜12月=新学期、新鮮、新しい生活リズム

●1月〜3月  =  クリスマス休暇明け、とにかく寒い、中だるみ

●4月〜6月  =  学年終盤、まとめ、成長を感じる季節

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あれ?じゃあ7月8月は何してるの?と思われたそこのあなた!

いいところに気づかれましたね!はい、ご存知「夏のバカンス」です。

そしてこれが、「実質1年=10ヶ月」の答えです。

 

 ↑ の、各四半期に一度ずつと、★の箇所にそれぞれ、学校の休暇が都度2週間入ります。これが計5回で10週間。プラス、7月8月まるまる2ヶ月夏休みなので、年間で合計18週間休み。

1年=52週として、休み18週間、学校あり34週間=8ヶ月半、が、学校の稼働期間です。

 

*1

 

 

メリハリを効かせる生活の仕方 

さて、日本よりも、かーなーりー!実質稼働時間が短いけれども、ある経済指標においては、フランスは日本を上回っています(以下ご参照)。それは「限られた時間で効率よく働く」ことが身についているしるしだと、私は思っています。

 

(2018年数値)外務省HPより

フランス 一人当たり名目GDP=US$42 878、

日本   一人当たり名目GDP=US$39 305

www.mofa.go.jp

 

祝日ベースで見ると、2019年のフランスの公的祝日は年11日、日本は年16日、なので、フランス人はそれほど休んではいないのです。

 

 

では、どうやってメリハリをつけているのか、それは「仕方ない」と「お互いさま」の精神で乗り越えている気がします。

 

 

たとえば、夏休み。

先に書いたように、学校の休みがめちゃ多い。そしてそれに引きずられるように、よく休んでいると思われているフランス人ですが、自営業でもない限り、夏休みはまるまる2ヶ月もとれません。みんながみんな「夏のバカンス」に出るわけではなく、普通は、この2ヶ月間、順番でバカンスをとります。

じゃあ普通にものごとが進むのか、と言われたら、答えはNon。

ここに落とし穴があって、チームメンバーが順番で休む=誰かが必ず勤務している=案件を進められる、わけではない点にご留意を。意思決定できる権限者が不在、特定の書類を作る部署の担当が不在、お役所関係も、一応、窓口は開いていますが、この期間に回答が出ることはほぼ皆無です。

ここでヤイヤイ文句を言っても「仕方ない」し、自分も休暇に出るので「お互い様」。

 

 

*2

 

ちなみに、バカンスのハイシーズンは、7月14日のフランス革命記念日(パリ祭)から、8月15日の聖母被昇天祭の祝日までの1ヶ月。冬が長いヨーロッパで、いよいよ夏の雰囲気が出てきた7月1週目あたりに、それぞれの試験の結果が出る→その試験の結果を持って2ヶ月の長いバカンスに入る、というのが、一般的なスケジュールです。

 

 

10ヶ月で1年分の営業目標を達成するために  

1年間が実質10ヶ月しかないと、社会人も忙しいですよ〜

7月から9月の3ヶ月分の営業目標数字を、9月だけで達成しないといけないわけです。なにせ、7月8月は本当に物事が進まない。

そのため、6月に仕込み→9月に回収、というスケジュールをあらかじめ頭にいれておかなければなりません。個人的には私は、6月〜9月の3ヶ月は、何も大きな案件を取らなくてもいいくらいの段取りをしています。もちろん、自分が休暇に出る間、同僚にバックアップに入ってもらうのですが、ここでも、物事が進まなくても「仕方ない」し、「お互い様」の精神で、目くじらたてて怒ることはしません。

 

以前、仕事で日本に報告書を送ったら、「どうして7月8月はこんなに数字が落ち込んでいるのですか?」と不思議がられましたが、その理由はこれなんです。悲しいかな、夏は遊んでいるという印象をもたれることが多々あり。ちゃんと仕事をしているのにそのような印象をもたれるのが残念です… 

 

夏のバカンスが終わると 

8月末になると、新しい年度に向けて準備が始まります。スーパーマーケットに行くと学用品が大々的に並んでいたり、またそれぞれの学校の前に新学期初日の案内が掲示されていたり。求人募集なども、8月末からどっと量が増え、いよいよ新しい生活リズムが始まるのだ!という雰囲気になります。

 

 日本はお盆休みがありますが長くても10日という人がほとんどではないでしょうか

フランス、特にパリでは、レストランもお肉屋さんもパン屋さんも薬局も、生活に必要であるなしに関わらずほぼ全て、一ヶ月単位で閉まります。

ZaraH&Mなどのフランチャイズ、ブランド店など観光客が見込めるお店や、スーパーマーケットは開いていますが、それでも品物が少なかったり、明らかにバカンスの雰囲気。店員さんと「あなたバカンスに行かないの?」「この時期は本当に閑散期で稼げないわ」なんて会話することも。こんな感じなので、お店が開いてないことに目くじらをたてて文句をいうこともナンセンスですし、文化にそぐわない。

 

  

「お互い様」で支え合い、不便を受け入れる

フランスに住んでいると、確かに、不便な点は多々あります。この夏のバカンスがその一つ。ただ、仕事をしている人、みんなそれぞれ家族がいて、生活があって…と想像すると、みんな平等に、同じくらい休むのは、それほどたいしたことではない気がしています。「お互い様」の精神で、人にも自分にも優しい、余裕を持った生活リズムだと思います。

 

 

 

今日はここまで。

日本からパリに旅行に来られる際は、7月8月が閑散期であること、また、フランスを相手にお仕事をされている方には、この2ヶ月は、国全体が通常運転ではないことを、この記事を通じて知ってもらえると嬉しいです。

 

夏が終わったばかりですが、気の早い人はもう次の夏のバカンスの予定をたてています。「フランス人はバカンスのことばかり考えている」ともよく言われますが、あながち、こちらは嘘ではありません笑

 

 

*1:保育園は、年末年始2週間と夏休み2ヶ月以外は開いてるので助かりますが、幼稚園以上の子どもがいる家庭は、毎回の休み子どもをどこに預けるかに頭を悩ませます。事前登録制、預けるのも費用がかかるので、フランスの学校教育は基本無料とはいえど、これだけ休みが多いと、正直辟易してしまいます。

*2:

毎年6月になると、はやくも「次学年度の手続き」を始めなければなりませんし、また「バカンスに入る前に、回答が欲しいものの手続き」も始めなければなりません。夏をフランスで快適に過ごすポイントは、「6月にはありとあらゆる手続きを終えておくべし!」に尽きます。