12月5日木曜日から始まった年金改革への抵抗ストライキも、なんやかんやで2週間が経過しました。
備忘録、兼、その後のご報告を兼ねて。
前回の記事はこちら
人間は不思議なもので、だんだんと感覚が慣れてきてしまいました。
職場に行っても、「今日はどうだった?」と声を掛け合う頻度も減ってきたし、
朝10時半ごろに出勤して、15時ごろに帰路につく同僚がいても驚かなくなりました。
進化!
まず、通勤
毎日17時にパリ交通局が翌日の運行状況をインターネットでアップデートします。
この数日で、メトロ2番線、3番線が夕方(16時30分から19時30分)のみ運行するようになりました。とはいえまだまだ本数が通常の半分以下なので、安心できません。
郊外線は前と変わらずです。
https://www.ratp.fr/infos-trafic
今週は年末のバカンスシーズン前の最後の週ということもあり、日に日に人が少なくなってきています。
ストライキの状況を見て、早く休暇に入っているのかもしれません。
また、これまで身の危険を感じるほど混雑していた駅には、パリ交通局のスタッフが常駐し、管理しています。
以前はホームに人があふれていて、電車と当たるのでは?と思うくらい混雑していたのが、今週からは「ホームに入る人をコントロールする人」により管理されるようになっています。
ただ、管理方法は地声でのアナウンスと、ビニールテープ。
階段の上と下で一人ずつ常駐して、安全を確保しています。
学校、保育園は
前と変わらず。
今週は大規模な全体ストライキが行われた火曜日だけ、保育園が閉まりました。
「だけ」って言ってしまうところが、もはや不思議です。
ストライキ前は週5で、8時30分〜18時まで子どもを預けてたのに、
今となっては、運が良ければ週4くらいの、9時〜17時の生活に慣れてしまっているという…
お迎えをお願いしているシッターさんは、メトロ、電車がなく来られないので、もれなく両親どちらかが、交互にお迎えに走る毎日です。
ストライキが長引くにつれて、どんな影響が出てるかと考えてみると…
影響その1)クリスマス商戦がない!
これは本当に明らかで、個人的に自分の肌でも感じるし、ラジオでも言ってました。
プランタンprintemps やギャラリーラファイエット galerie Lafayette の大型デパートでは、この時期に、年間売り上げの20%を見込んでおり、それがストライキのせいでほぼほぼなくなりそう、という。
こちらの記事では、パリ市内の店舗では例年の30%から50%の売り上げ減とのこと
せっかく日曜日も営業する小売業を促進してきたマクロン政権なのに、去年は黄色ベスト運動 gilet jaune、今年はこの年金改革デモと、毎年のように年末商戦に影響を及す社会的な活動が行われています…
さて、目線を個人に移して。
お店に行く足がない今年は、どうやってクリスマスプレゼントを準備したかというと…→ 本来予定していたプレゼントとは別のものを、ブランド問わず自分の生活圏で買う
→ 大きい荷物を持って超満員電車に乗れないので、小ぶりのプレゼントを買う
→ 大きいものは、Amazonで買う
Amazonの場合、パリ市内の超渋滞のため、遅れて届く可能性を見込んで、かなり早めに注文していました。
あと、並行して、年末年始のレンタカーの手配なども。
うちは車を所有していないので、クリスマスなど家族揃って田舎の別荘に行く際は必要に応じてレンタカー、電車を使い分けています。
子ども連れで予約していた電車がキャンセルになったら悲惨なので、ストライキの前にレンタカーの予約をしておきました。
われながらエライ!
影響その2)週末の活動がかなり限られる!
ストライキが始まってから週末が二度ありましたが、いずれもメトロは自動運転の1番、14番のみ。その他は終日運行せず。
確か、郊外線は正午〜18時限定で、5本に1本くらいの割合で動いていたような。
長男が土曜日に日本語の学校に通っていますが、いつも利用しているメトロは運行がなく、2週連続お休み。また、ちょっと大きい公園に遊びに行くという選択肢も消去されました。とほほ。
これからどうなるか?
昨日は2つの労働者組合(CFDT、CGT)が行った会談に合わせて、また大規模なデモ活動がありました。これらを踏まえて、明日12月19日木曜日に、来週以降の交通網の状況がわかるようです。
ざっくりと私のイメージでは、
CGT=ありとあらゆる変更にとりあえず「Non」という割と大きめな労働者組合、
CFDT=今回の定年退職年齢64歳に反対している、最も大きな労働者組合。
という位置付けです。
これまでは前者のCGTがメインで活動をしていましたが、昨日はとうとうCFDTが出てきて、大きなデモ活動に発展したとのこと。
個人的には、このCGTとCFDTの関係、例えば、CFDTが条件をのんでも、CGTが引き続きNonという場合はどうなるのかしら、と、見守っています。
生々しい写真は、Le Monde のサイトで見られます。スゴイ数の参加者。
政府は、休暇シーズンに影響を及ぼさないよう、主に長距離線を中心に通常運行を85%以上確保するように指示していますが、今のところ確保できるのは50%程度とか。
個人的には、百歩譲って休暇シーズンに多少影響が出てもいいけど、年明けはストライキ終わってて欲しい!
休暇でモロッコや日本に行くというママ友たちがいます。
羨ましい…と思っていましたが、
まず飛行機が飛ぶかどうかを確認し
→ 飛ばない場合は急いで別便を手配
→ 飛ぶ場合でも、空港までどうやって行くかを思案する、というなんともストレスな状況。
年末の挨拶で顧客まわりをしている同僚も、飛行機が直前になってキャンセルになったり、朝5時にタクシーで空港へ向かうなど、飛行機移動でもやっぱり影響が。
前回も書いていましたが、パリに観光に来られている方、
またこれから来られる方には、こんな状況でも少しでもパリを楽しんでいただけることを願っています。
日本語での情報は、パリ在住日本人の友、オヴニーが便利です。
気になって調べてみたところ、ストライキを行なっている人は、基本、 無給らしいです。当たり前か。自分の意思で活動していますからね。
ただ、上述のCGTやCFDTには「ストライキをすること」が仕事でお金をもらっている人もいるので、職業=ストライキ担当 とかになるのかしら。
今日はここまで。
来週の今ごろは、落ち着いていることを願いつつ。