12月から始まったストライキ生活が、なんと1か月を突破しました。
交通事情は、日に日に良くなっているような気がしないでもないですが、これは抜本的な歩み寄りによるものではなく、働かなければお給料がないため、徐々に、嫌々ながらも、働く人が増えてきた結果のためです。
それでも、パリを中心とした公共交通機関の運転手の4分の1はまだストライキ中という…
ところで、このストライキ騒動のさなかに、公共交通の主体であるSNCF社(Société Nationale des Chemins de Fer français)が、
2020年1月1日から半官半民会社から、100%民営化されたとの報道があり、ストライキ終わるか!と期待していましたが、結局何も変わらず。 fr.wikipedia.org
会社勤めの身としては、こちらの記事を興味深く読みました。
一般企業では、平均して社員一人に対し、ストライキのせいで233ユーロのコストが計上されているとのこと。
例えば、交通機関勤めではない労働者のうち
-55%は、ストライキに対応した勤務体系に切り替えた
-18%は、勤務地に近い場所で寝泊まりをするようになった
-65%は、打ち合わせやミーティングを延期した
などの機会費用損失、効率の低下などを試算して出した数字のようです。
もっと高いような印象がありましたが、まあそんなもんか、という感じ。
わたしの職場も、自宅勤務が推奨され、また主要な打ち合わせが延期されたので、上述の55%と65%に含まれます。
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1か月を超えると、良くも悪くも、みんなストライキに適応した生活になっています。
人間の適応能力はすごいもので、2週間を過ぎたあたりから、移動するために電車、メトロ、バスは選択肢に入れなくなりました。
毎日毎日、17時に更新されるこちらのサイトをみて、翌日の移動方法を思案します。
日替わりでかなり変わるものの、RERのAとBは基本終日運行されるようになりました。
パリ公共交通のストライキ中運行情報サイト
https://www.ratp.fr/infos-trafic/bulletin-general
一方で、適応できず引き続き困っているのは、子ども関連。
ここ2週間であったのは、以下のようなケース。
ケース1)
学校や保育園(の先生)が当日朝ストライキを発表し、学校が閉まる
↓
強制有休取得
ケース2)
学校も保育園も開いているが、いつもより早くお迎えが必要
↓
交通機関は朝晩のピークタイムしか稼働していないので、お迎えに行けない
↓
シッターさんにお願いしても、同じ理由で、お迎えをお願いできない
↓
強制有休取得
前回も書きましたが、本当に、こんな理由で休みを使わず、ちゃんと「どこかに行くため」に休暇を使いたかった…
そして、休暇で職場を不在にしても、仕事量は変わらず…なので、いつもにも増して効率化の鬼と化してます。
そして番外編
「よし、今日は学校も保育園も時間通り!交通機関も比較的安定している!」という日でも、 ストライキ生活で誰もがイライラしているせいか、メトロの中で乗客同士のケンカが始まり、自分は何も関係していないとはいえど、その光景にどっと疲れて帰宅する日もありました。
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ここ数日、長距離線は日中も動いていることが多いものの、こんな ↓ 状況なので、
時間の余裕をかなりみて移動する習慣になりました。
30分に1本は確保されているけども…
待ち時間長い!
しかもこれだけ間引き運転の場合、乗車率200%か⁉️と思うくらい人が乗ってます。
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さて、ここ一週間で本当によく耳にする、l'âge pivot という単語。
日本語にすると、「基準年齢」? 「均衡年齢」?とでもいいましょうか。
文字通り、「基準とする年齢軸」のことで、これを何歳に設定するか、で、複数の労働組合が個別に主張をしています。
政府がこれを決めたら決めたで、また労働組合どうしで揉めそうな予感…
この基準年齢について、一番わかりやすかったのは、イラストつきのこの記事。
左から、一般企業従業員、一般公務員、交通機関勤務者、の比較です。
年金受給に必要な継続勤務年数は、最大でなんと10年も差があるんですね。
また、支給金額に用いる基準給与額も「給与が最も高かった25年間分の給与」を計算基準とするか「最終勤務日から起算して6か月の給与」を計算基準とするか、など、
このように比較するとばらつきがあり、これを均衡化しようとすると、今回のストライキのように反発が起こることも、納得できます。
とはいえ、精神的にも身体的にもかなり疲れが…
何とか早く、歩み寄りがなされることを期待したいです。
少なくとも2月上旬までは今の状況が続くらしいので、まだ折り返し地点!
今日はここまで。
また、以前のように活気があるパリに、早く戻りますように。