フランスで考えるブログ

フランス在住 大阪出身の金融業界フルタイム勤務のわたしの日常生活と頭の中

フランスのいいところ 〜セントラルヒーティング〜

こんにちは◎

フランスで金融業界の正社員フルタイム勤務、日仏ミックス家庭運営中のごまめです。

 

 

言葉が難しい、働かない、ストライキが多い、、、などなど、

否定的なレッテルをはられがちなフランスですが、

長く住んでみてわかる「いいところ」がたくさんあるんです!

 

 

個人的な視点でみた、「フランスのいいところ」シリーズ

 


1年12か月のうち、実にその8割、9か月はお世話になっている

「セントラルヒーティング」をご紹介します。

 

 

セントラルヒーティングシステムとは

「建物の中全体を暖めるシステム」です。

基本、家の中全部。

玄関も、お風呂場も、台所も、寝室も、トイレも、、、

どの部屋もみな同じ温度に保つという暖房システム。

 

 

種類は、器具の中にオイルが入っているタイプと、

水を循環させているタイプの2種類。

 

 

わたしの知る限りでは、

イギリス、ドイツ、オランダ、イタリア、スペイン、スウェーデン

そして海を渡り、アメリカはカリフォルニアでも同じ設備を見たことがあるので、

欧米諸国では一般的な設備だと思われます。

 

 

こんな感じで、窓の下に設置されているのが典型的。

窓から入ってくる冷気を温めることが目的かな?

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場所をとらないこういうタイプもあり。

お風呂場に設置して乾燥機能も兼ねて。

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日本は「部屋ごとに暖める方式」

 

日本の暖房設備は、「部屋ごとを個別に」暖める方式なので、

真冬、朝起きてすぐにすることは、暖房器具を点ける!こと。

 

 

トイレに行く時も寒いので、廊下は小走りになったり

(だから便座を温める文化が発展したのかも!)。

 

 

最近は床暖房という素晴らしい設備があり、

生活環境も改良されてる世帯が多いかもしれませんが、

建て替えのようなタイミングでなければ、なかなか設置しにくいですよね。

 

 

そんな日本の生活様式に慣れたわたしから見ると、

フランスのこのシステムはとても良くて。

 

 

気温が下がり始める11月にはセントラルヒーティングが稼働し始め、

建物全体が暖められます。

 

 

設定温度が19度であれば、19度を下回る時にセントラルヒーティングが稼働。

家の中はどこにいても快適〜

 

 

ポーランドやスイス、スウェーデンのご家族のおうちに遊びにお邪魔した際には、

なんと設定温度が23度ということも(逆に暑い)!

寒い国ではガンガンに暖房を利かせるらしい。家の中では真冬でも半袖ということも。

子どもたちのお風呂上がりも、

慌てて暖房のきいている部屋まで連れて行かずとも大丈夫。

 

 

気になるお値段は? 

2021年時点で住んでいた建物はガスではなく電気。

オール電化で、セントラルヒーティングシステムも電気。

しかしそれほど光熱費も高くなく、80平米で月に平均70ユーロほどだったような記憶。

 

 

どうしても寒い日は、ヒーターのある部屋のドアを閉めたり、

玄関ドアの下から入り込む冷気を遮断する工夫をするなどして、

部屋の温度が下がらないように管理することもありましたが、

基本、部屋と部屋の仕切りドアは開けっぱなし。

 

 

ヒーター自体はほんのり暖かい程度なので、子どもが触っても安心、

と、いいことづくめなのです。

 

 

 

 体にやさしい暖房設備!

そしてさらに嬉しいことは、このセントラルヒーティングシステムは

「風が出ない暖房器具」。

 

ただでさえ乾燥がひどい秋冬の時期に風が出る暖房だと

すぐに喉が痛くなったり、慢性的なお肌の乾燥が気になることが多々ありましたが、

フランスに来て回数がぐっと減りました。

 

 

体に負担がかからず、家全体が暖かく保たれています。

日本でもオイルヒーターが一般的になってきているようなので、

実家に大絶賛で勧めています。

火を使うストーブや、ガスを使うガス暖房と違い、

子どもやお年寄りにとってもリスクが少ない。

すごくいいです。

 

 

フランスではなぜこういうシステムになったのか、考えてみると...

  • 長い冬を越すのに、経済的なシステム

石造りの建物なので、暖かくしてしまうと、暖気が逃げにくい

→そのかわり一旦冷たくなると、暖めるのにすごく時間がかかる

 

  • 美的感覚、景観を重要視 (室外機が置けない)

フランスでは所有権の範囲が広く、既存の建築物に手を加えるための手続きが煩雑で

(フランスでは自分が所有しているアパルトマン内のリノベでも、

同じ建物の住人や管理組合から合意を得ないと、工事ができなかったりする)

 

...ということろでしょうか。

 

 

個人的に好きなのは、こんなタイプ ↓

本棚の間に完全埋め込みしているもの(棚はオーダーメイド)

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また、目立たないように、壁紙と同じ色で統一しているものも

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セントラルヒーティングシステムの落とし穴

さて、ここまで大絶賛のセントラルヒーティング。

それでもデメリットはやはりあります。

それは、「自分の都合でスイッチオンオフ、温度設定できない」

 

 

うちの場合、建物全体で設定温度が決まっていたので、

日当たりの良いアパルトマンは暑い!

日当たりのよくないアパルトマンは、ずーっと肌寒いくらいでした。

 

 

同じ建物であっても、お呼ばれでお隣さんの家に行くと

「なんか寒くない?」と感じたり。

また逆に、お友達を招くと「なんかこっち側のアパルトマンは暑いのね」

なんていわれたことも。

 

 

管理人さんに言うと設定はしてくれますが、

いかんせん、建物の中での「共有設定」なので、細かくは変えられないようで。

 

 

そして2つ目の落とし穴。「夏に使い道がない」

昨日ラジオで、

「2019年は世界的にみて、1850年以降3本の指に入るくらいの猛暑だった」、

と言っていました。

 にも関わらず、フランスの冷房設備の一般家庭普及率はおよそ3パーセントとか。

 

 

猛暑の日は、朝から雨戸やカーテンを閉め切って完全断熱し、

(部屋は薄暗くなりますが暑いよりはまし)

日が沈んでから窓全開+扇風機で乗り切る家庭が大半です。

 

 

セントラルヒーティングは暖房一本のみ。

冷暖房を一台でこなす、というエアコン機能はないので、

夏はただ単に「置き物」と化します。使えない。

 

 

夏はもっぱら、冬に備えたセントラルヒーティングのメンテナンスの時期です。

(実際にうちも、毎年6月末に点検にきてもらっています) 

 

 

日本と同じ冷暖房設備の場所も

さてさて、そんなフランスでも、日本と同じ暖房システムのところも!

それは、商業施設と、オフィスビル

 

 

私の職場も40年くらい前に建てられたいわゆる「オフィスビル」のため、

日本と同じく風が出るタイプの冷暖房兼用機が設置されています。

 

 

そのため、オフィスにいると、自宅では全く感じないコンタクトレンズの乾き、

喉のイガイガ、お肌の乾燥を感じることが多々。

 

 

商業施設やオフィスビルも石造りではありますが、

大人数が行き交う場所だし、

寒暖に強い(外の気候に左右されない)環境を作る必要があるからでは…と推測。

 

 

では、今日はこのへんで。

この記事が、冬の期間に渡仏される方の参考になれば、

また同じことを感じていらっしゃる方のお目にとまれば嬉しいです。

長い長いフランスの冬。

セントラルヒーティングのシステムの恩恵に目一杯あずかりたいと思います。

 

 

「フランスのいいところ」はこちらもぜひ~

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