フランスで考えるブログ

フランス在住 大阪出身の金融業界フルタイム勤務のわたしの日常生活と頭の中

ストライキとわたしの日常

 

前回の記事で、フランスのいいところについて書いたばかりなのですが、

www.infofromparis.com

 

 

先週125日から始まった大規模ストライキに、すっかり辟易しています。

今日で1週間が経過し、だんだんと感覚が麻痺してきつつあるので、備忘録を兼ねて。

 

 

 

 

ストライキは、政府が進めている「年金改革」への反発が目的で、主に公務員や公共サービスに関わる人々が参加しています。

結果、通常どおり稼働していないものは以下のとおり。

・公共交通機関Air France 航空含む)

・市役所、区役所などのお役所業務

・保育園、学校などの教育機関

・病院を含む医療施設全般

・一部、警察や消防

こうやって列挙してみると、日常生活に関わるところばかり

 

 

ざっくりというと、これまで公務員の特権として認められていた権利があまりにも時代錯誤すぎるため、マクロン政権が公約どおり制度改革を進めることを発表し、それに対する反発が今回のストライキの発端になっています。

 

 

去年から始まった gilet jaune 黄色いベスト運動、また、学費値上げ、奨学金値下げに反発している学生運動も今回のストライキに便乗していて、個人的には、なんだかごちゃまぜ感が拭えません。

 

 

 

さて、そのストライキ、パリ在住パリ勤務のうちの場合、どんな影響が出てるかというと 

 

まず、通勤!

朝起きて、まずパリ市交通局のサイトで運行状況を確認。

https://www.ratp.fr/infos-trafic?utm_source=ratp&utm_medium=web&utm_campaign=greve1219

 

動いているとサイトで書かれていても、駅に行ってみるとこんな感じ。

色枠で囲まれてる線は動いてません。

この時点で、同僚に連絡して、どういう経路で行ってるか連絡を取り合います。 

f:id:infofromparis:20191211050513j:plain 

パリ近郊長距離5路線、パリ市内メトロ14路線のうち、普通に動いてるのは2路線…

そこにみんなが集約されるので、恐ろしいほどの混雑。

ホームに入れないので、こんな感じで地下通路にあふれて、まず「ホームに入る」ために順番待ち。

f:id:infofromparis:20191211050500j:plain

 

 

一部路線では、こんな状況でも業務に就いている運転手に対し、別の運転手が業務妨害を行うという「内輪揉め」的な展開もあったようで、まさしく「暗黒の1週間」でした。 

www.lepoint.fr

 

 

やっと来たメトロも既に乗車率200%なので、結局5本ほど見送ってやっと乗り込む感じ。いつも使っている路線は終日閉鎖なので、運行している線で職場に一番近いところギリギリまで行って、そこから徒歩45分とか

 

自動運転で、運転手がいない1番線、14番線は終日通常どおり運行、なのですが、この2つの線、パリの左岸を通らないので、使い勝手がいいような悪いような。

大阪の地下鉄でいうと、中央線と谷町線だけ動いてるみたいな。

 

 

 

そして、学校、保育園!

 

通勤がこんな感じなので、先生がストライキに参加していなくても、当日、何時に到着するか分からない。

 

学校、保育園に子どもを連れて行っても置いていけない。

 

毎朝、家を出る前に電話で確認

この時点で「今日は電車が止まって先生来れないようなので、自宅待機でお願いします〜」というケースもあり、当日朝に「すいません今日仕事休みます!」ということもありました。

無駄な有給休暇ちゃんとどこかに旅行行くとかで使いたかった

 

 

 

他にも「(いつもは18時お迎えのところ)今日は15時までにお迎え来てください」とか。通勤だけで片道1時間半かかるのに、15時お迎えだと実質職場にいる時間3時間くらい。

仕事はかどらず。

ただ、他の人も同じ状況なので、引け目を感じず、遅れて出勤、早く帰宅、ができる雰囲気ではあります。

 

前日に掲示で情報を伝えてくれるならまだいい方。

f:id:infofromparis:20191211050443j:plain

 

 

 

予防策

一応、前日の17時に、翌日の運行状況がパリ交通局のインターネットで発表されるので、それを随時チェック。

f:id:infofromparis:20191211050453p:plain

 

自家用車やタクシーは、早朝もしくは深夜だといいみたいですが、それ以外は鬼のような渋滞なので、うかつに手を出してはいけません。

バスで来た同僚が、歩きの私よりも後に着いたこともあります。

 

 

 

日本人から見た、ストライキ活動の原動力 

いずれも、フランス人の「言いたいことがあったら言わなきゃ損」という感覚が根底にあるように思われます。

個人的に驚いたのは、これほどまでに日常生活に支障をきたされているにも関わらず、一般市民のストライキ支持率が割と高いこと。

義理の両親や職場の同僚も、年齢に関わらず「ストライキする気持ちがわかる」との反応。

ストライキが長くなるにつれ、参加人数は少しずつ減少傾向にあるようですが、公共交通運転手の場合、実に77%がまだ継続して参加しているとの記事も。

www.europe1.fr

 

 

この時期にパリに旅行にこられてる方、本当に大変だと思います。

多言語表記されないし、駅係員の誘導も完全フランス語だし。

またルーブルエッフェル塔などの観光施設では開館が遅れたり、オペラがキャンセルされたりしているようです。

www.bfmtv.com

 

せっかくのパリ旅行が台無しにならないことを祈るばかりです。 

 

 

 

 

1211日の夜、フィリップ総理大臣がアナウンスをしましたが、強硬姿勢は崩さないという印象。年末年始までには無事に収束か?と期待していますが、やっぱり年末まで続きそう

クリスマス商戦も大打撃です。

www.20minutes.fr

 

 

 

今日はここまで。久しぶりのフランス時事ネタでした。