先日、子どもから「アナと雪の女王2を観たい」とリクエストがあり、
契約してるDisney+で検索したところ、無い!
え、Disneyの看板タイトルよね、わたしの入力ミスかしら… と思ったのですが、
あ〜、これ、フランス語守るやつに引っかかってるのね、とハタと気づき。
フランス語を守るやつ、というのは、
「フランス語以外の言語で制作された映画作品は、最初の封切りから36ヶ月は、ストリーミングサービス(NetflixやDisney+)のプラットフォームで配信してはいけない」
という規制です。
そうか、「アナ雪2」は、公開からまだ3年経ってないのか〜…とがっかりしましたが、
先日、その規制がこの度緩和されるとの報道があり、期待しています。
早く「アナ雪2」観せてあげたい…
今回の規制緩和の内容は、
- 収益の20%〜25%を、フランスおよび欧州の新規コンテンツに投資する義務
- この義務を満たしたら、現在36ヶ月である規制期間を17ヶ月まで短縮させることを許容
というもので、以下の記事によると、Amazon とDisneyはすでに不服を申し立てているとのこと。
これ、ものすごく、フランス語、
ひいてはフランスの国益を保守することが目的になっている規制です。
日本では、こんな規制ないですよね。
だって今まで、日本に住む人は、日本語のコンテンツにまず最初にアクセスする、っていうのが一般的常識だったから。
もちろん、市役所の手続きなどのローカルな情報は引き続き日本語メインで残ります。
だってその情報が欲しい大半の人は、日本語が母語の人なので。
ただ今後、英語や中国語でのデータベースが日本語のそれよりも充実してくると、
まずは利用者数が多い順で、英語、そして
人口の多い中国やインドなどの言語が優先的に翻訳され、市場に出るようになる、
と考えています。
実際、わたしが仕事で使ってるシステム(グループの全世界スタッフが使ってる)も、
英語→中国語の順にユーザーマニュアルが作成され、日本語はまだありません…
世界規模で商品を売る!という目論見のある人は、日本語単独で作成するより、
実は最初から英語で作成し、需要がある(収益があがる)と分かった時だけ、
日本語も作成、としたほうが良いのでは?
このエントリを書いた時もそう思っていました↓
さて、話は先程の規制の話に戻り…
日本では、学校で「国語」「古文」を学びますが、
いざ社会に出て仕事をし始めると、日本語を守ろう!という動きはなく、
むしろIT用語やビジネス用語を中心にかなり横文字が浸透しています。
いっぽうでフランスでは、この「映像に対する規制」をはじめとして、
フランス語を守る様々な政治的、経済的な政策には、
日本とは桁違いな心意気が垣間見えます。
語学学校のエッセイでも、E-mailと書くと減点、
Courriel électrique と書きなさい!と習いました。
学生時代に映画を見ていて「パリって映画でよく出てくるな〜」なんて
のんきに思っていたところ、
社会人になって、とある映画関連会社の収益計算書をみる機会があり、
「パリを映画の舞台に使う」ことも、フランスの政策の一つと知ったときは驚き。
(豆知識)
パリを映像作品の舞台として使用すると、パリ市から給付金がでます。
(もちろん、映像作品の長さのうち、パリが出る時間の割合や、作品の分野、
制作方法などで条件があるものの、ゲームやアニメなど二次元的なものでも可)
フランス語の映像作品を、他言語のそれよりも優先的に扱う。
フランスを映像作品の撮影場所に使ってもらえるように、制度を作る。
フランス共和国なんだから、まずは自国の言葉、文化、都市を売り込む。
フランスって、ほんとにブランド戦略が上手!
住んでいるうちに、この国がどういう流れでここに至ったのか、
真面目に勉強したいです。
さて、今日はここまで。
「アナ雪2」から派生して、こんなことを考えていた週末でした。
この前、お正月の学校休暇が終わったばっかり、と思ってたのに、
気づいたらもう2月。
そしてもう次の学校休暇の学童の予約が始まりました。光陰矢の如し。
1日1日をしっかり踏みしめて。